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金ナノ粒子液を用いたインクジェット装飾

サレジオ工業高等専門学校らの研究グループが、金ナノ粒子液を用いたインクジェット装飾を行いました。

この研究成果は、Key Engineering Materialsに掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Yamaguchi, Mitsugu, et al. "Decorative Film Formation by Inkjet Printing with Gold Nanoparticles for Synthetic Resin Crafts." Key Engineering Materials. Vol. 825. Trans Tech Publications Ltd, 2019.



漆器などの工芸品は、金を散らして絵を描く技法である「蒔絵」や、彫刻ナイフで刻まれたデザインに金をこすりつける技法である「沈金」など、金を使った装飾技法でユニークな進歩を遂げました。

従来の技術では、クラフト製品を生産するために実践的な知識と能力が不可欠です。そのため、簡単なプロセスで構成されるスクリーン印刷が開発されました。ただし、スクリーン印刷では、インクをオブジェクトに転写するためのパターンを作成するために、シルクまたはナイロン製のマスキングプレートが必要です。


このような背景から、同研究グループは漆器などの工芸品用の金ナノ粒子を使用したインクジェット印刷による装飾フィルムの形成について説明します。

提案された方法は、マスキングなしで設計を変更できるオンデマンドプロセスで構成されています。


本研究により、金ナノ粒子膜の外観と反射率スペクトルは熱条件によって異なることが確認されました。

基板への熱損傷を防ぐ適切な加熱条件は、ABS樹脂基板では373 K以下、フェノール樹脂基板では423 K以下です。

焼結温度が1時間で323 Kを超えると、金ナノ粒子膜はボイドのない良好な表面完全性を保持しました。

さらに、このフィルムは基板に対して非常に高い接着性を有していたため、クロスカット試験後に剥離は発生しませんでした。



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