Northwestern Polytechnical Universityの研究グループが、宇宙環境を想定し、重力の影響を抑制した金属液滴3D造形装置を開発しました。
この研究成果は、 International Journal of Machine Tools and Manufactureに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Huang, Jieguang, et al. "Suppression of gravity effects on metal droplet deposition manufacturing by an anti-gravity electric field." International Journal of Machine Tools and Manufacture (2019): 103474.
液滴を用いた3D印刷は、大規模なエネルギー機器やカスタマイズされた材料を使用せずに造形ができるという利点があるため、宇宙での金属成形に有望な手法です。
ただし、宇宙の極端な環境、たとえば微小重力環境は、地球上での3D印刷と印刷機構の大幅な変更が必要となります。
宇宙での製造に適した液滴ベースの3D印刷技術を開発するには、通常の重力環境では無く、微小重力下での液滴の堆積挙動を物理的にシミュレートする必要があります。
このような背景から、同グループは、液滴を操作することで垂直基板上に垂直に堆積可能となる、反重力電界を含む新しい実験システムを開発しました。
制御電圧のパラメータマッピングは、理論的モデリングと実験結果に基づいて確立されました。
飛行軌跡の制御可能な領域は、電界の上半分に位置します。充電電圧は、偏向電圧よりも優れた調整精度を示します。電界の操作の下で、液滴は基板上に堆積し、通常の形態に固化します。
堆積した液滴の固化した際の形状と付着力を測定しました。最後に、自立型の柱と曲げ壁構造を製造しました。
この研究は、重力に反して垂直面に垂直に堆積する液滴を操作し、3D構造を形成する際の反重力電界の実現可能性と有効性を示しているとのことです。
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