CINVESTAV−IPNの研究グループが、酸化ニッケルのナノ粒子を含むインクジェット用水性インクを開発しました。
この研究成果は、Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspectsに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Samos-Puerto, Angel, Geonel Rodríguez-Gattorno, and Miguel A. Ruiz-Gómez. "Fine tuning of inkjet printability parameters for NiO nanofilms fabrication." Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects (2019): 123959.
酸化ニッケル(NiO)は、電極触媒材に代表される多くの用途で、使用が期待される魅力的な化合物です。
いくつかの技術的用途において、均質な薄膜となったNiOが求められています。
このような背景に対し、同グループはインクジェット印刷技術を使用してNiO薄膜を製造するための物理化学的特性と印刷適性性能に対する添加剤の存在の影響を分析するために、3つの水性インクを調合しました。
統合された物理化学分析により、配合されたインクの印刷適性は、レイノルズおよびウェーバー数の観点からマップによって定義されました。得られた結果によれば、すべての配合インクはインクジェット印刷が容易とのことです。
また、それぞれのインクに添加剤を添加することにより、基材表面に形成される接触角値が減少し、濡れ性が大幅に向上することを確認しました。この特性は、堆積した液滴間の相互作用に重要な影響を与え、均質で連続した明確な膜を得るために必要な液滴の数が少なくなりました。パラメーターの最適化後、1、3、5層のNiOフィルムをインクジェット印刷し、550°Cで焼結して、〜15 nmのサイズのナノ粒子が含まれる90〜190 nmの膜厚を得られたとのことです。
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