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誘導加熱を用いた新しい焼結工程

更新日:2020年5月21日

Singapore University of Technology and DesignとNanyang Technological Universityの研究グループが、金属ナノ粒子の新しい焼結方法として誘導加熱を用いた焼結方法を開発しました。

この研究成果は、Advanced Materials Technologies に掲載されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Tan, Hong Wei, et al. "Induction Sintering of Silver Nanoparticle Inks on Polyimide Substrates." Advanced Materials Technologies (2019).



電子機器の積層造形は、近年世界で最も急速に成長している技術の1つです。金属インクの印刷と焼結による金属積層技術は、多くの革新的なアプリケーションと金属ナノ粒子インクの高い商業化を促進しました。

しかし、金属ナノ粒子は印刷後の焼結工程が必要であるため、使用できる基材に高い耐熱性が求められるという課題を持っています。


このような課題に対し、同研究グループは誘導加熱を用いることで新しい焼結技術を提案しました。



誘導加熱による焼結プロセスは、非接触選択焼結プロセスです。

このプロセスでは、プリベークされた導電性の印刷パターンのみが、交流磁場による渦電流損失によって加熱されます。

また、誘導焼結プロセスは基板全体ではなく導電性の印刷パターンのみを加熱するため、熱焼結と比較してエネルギー効率が高く、効果的です。


誘導焼結印刷パターンの電気抵抗率は1.98×10^-8Ωmであり、この値はバルク銀の約81%の伝導率に相当します。


本研究の成果により、導電性の高い印刷パターンをフレキシブル基板上に製造でき、電子機器の積層造形において直面する課題を克服できる可能性を秘めています。




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