ケンブリッジ大学のグループが、エアロゾルジェット法を用いたCNTの印刷による柔軟性のある熱電デバイスの作製を実証しました。
この研究成果は、APL Materialsで発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Ou, Canlin, et al. "Enhanced thermoelectric properties of flexible aerosol-jet printed carbon nanotube-based nanocomposites." APL Materials 6.9 (2018): 096101.
エアロゾルジェット印刷は、ミスト化した液体を基板に吹き付けて微細パターニングを実現する技術です。様々な基材上に様々案粘度および構成粒子サイズを有するインクや機能材料を印刷でする特徴を有しています。
マスクレスで任意な基板にエアロゾルジェット印刷技術は、熱電デバイスの作製にも用いられてきました。しかし、すでに報告されている研究結果では、従来の無機材料と比較して、熱電性能が比較的劣っているという課題がありました。
このような課題に対し、同グループは、導電性PEDOT:PSSポリマー、高導電性多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、そして高いゼーベック係数を持つSb2Te3ナノフレークなどを材料に組み込んでエアロゾルジェット印刷することで、柔軟性が高く特性が優れた熱電デバイスの作製を行いました。
これは、MWCNTをエアロゾルジェット印刷によって熱電デバイスに組み込んだ最初の結果であるとのことです。
作製されたサンプルは、60時間の屈曲および耐久試験に耐えうることを実証しています。
この研究で実証された優れた耐久性を備えたフレキシブルな熱電ナノコンポジットは、ウェアラブルデバイスの熱エネルギーハーベスタや、エネルギーハーベスタの取り付けやすさや表面適合性が要求される用途に適しているとのことです。
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