富士フイルム株式会社は、商業印刷やパッケージ印刷向け産業用シングルパスインクジェット印刷装置の製品化に必要な基幹部品やソフトウェアなどのインクジェットコンポーネントを「Samba JPC」として、11月1日より発売する旨を発表しました。
この記事は下記プレスリリースの紹介記事です。
論文:
「Samba JPC」は、オフセット印刷を凌駕する高画質を実現した富士フイルム社のインクジェットデジタルプレス「Jet Press750S」の基幹部品を提供するものです。産業用インクジェットヘッドのリーディングカンパニーである米国のFUJIFILM Dimatix社製の1200dpi、MEMSによる高精細プリントヘッド「SAMBA」を組み込んだプリントバー、画像処理ソフトウェア、ヘッドクリーナーなど9つのユニットをラインアップします。日米欧の印刷機メーカーや、インクジェット印刷装置のインテグレーター向けに販売を開始します。「Samba JPC」の提供を通じて、ユーザーのインクジェット印刷装置の開発課題の解決に貢献します。
短納期、多品種少量生産、バリアブル印刷を可能にするインクジェット技術は年々進化しており、近年では書籍やポスターの商業印刷、紙器、段ボール、ラベル印刷などの分野において、採用が進んでいます。今後、さらに食品パッケージなどの軟包装をはじめとしたさまざまな分野にも採用が広がると、インクジェット印刷装置には印刷物の画質向上や、生産性向上などさらなる機能向上が求められます。
今回富士フイルムが提供する「Samba JPC」を活用することで、ユーザーは、高精細な「SAMBA」ヘッドの性能を最大限活かした、高画質で信頼性の高いインクジェット印刷装置を短期間で開発することができます。プリントバーは10インチ(約25cm)と、30インチ(約76cm)の印刷幅2種類をご用意し、さらに用途に合わせた印刷幅にカスタマイズしてご提供することも可能です。また、ユーザーのご要望に応じて、「Samba JPC」を富士フイルム製インクと組み合わせてご提供することや、9つのユニットを単品からご提供することも可能です。
この、「Samba JPC」は、高精細なシングルパスインクジェット印刷装置を短期間で開発したい印刷機メーカーや、「SAMBA」ヘッドを使ったインクジェット印刷装置を開発中の印刷機メーカー、またはブランドオーナーの生産工程内に組み込むインクジェット印刷装置の信頼性を高めたいインテグレーターに最適です。
富士フイルムは、用途が拡大する産業用インクジェット市場に対して今後も画期的な製品を開発・提供し、さまざまな産業の発展に貢献していきます。
●発売日
2019年11月1日
●標準価格
オープン価格
●「Samba JPC」の主な特長
(1)印字精度が高いプリントバーシステム
複数のプリントヘッドが高精度に位置決めされた状態で「プリントバー」に搭載されているため、プリントバーの印字幅全域で高画質な印字が可能です。また、「液循環ユニット」は、印字状態に応じてインクの循環流量を制御することにより、インクを常に最適な状態でプリントヘッドに供給し、高速印刷時にも高い印字性能を発揮します。
(2)印刷物のスジ・ムラを補正し、プリントヘッド交換頻度を低減する画像処理システム
長期間の使用によってインクの吐出方向がズレることや、吐出しないノズルが発生した場合でも、「画像処理ソフトウェア」によりその周辺のノズルを自動で制御し印刷物上のスジやムラの発生を防ぎます。印刷物制作工程で発生する色ムラなどによる損紙を減らすことができ、プリントヘッドの交換頻度も低減することができます。
(3)速乾性インクでも高い清掃能力を持つヘッドクリーナー
富士フイルム独自の特殊加工した布に洗浄液を付与してプリントヘッドの汚れを拭きとる「wet web方式」を採用し、清掃が困難な速乾性インクに対してもプリントヘッドを傷つけずに高い清掃能力を有します。
(4)用途に応じてカスタマイズ対応
プリントバーは、10インチ(約25cm)と、30インチ(約76cm)の印刷幅2種類をご用意し、さらに用途に合わせた印刷幅にカスタマイズしてご提供することも可能です。また、ユーザーが必要とするユニットを単品からご提供することも可能です。
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