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圧電ハーベースターをインクジェット印刷で実現

Wellmer社リサーチセンターらの研究グループが、圧電ハーベースターをインクジェット印刷によって作製する方法を発表しました。

この研究成果は、Nano Energyで発表されています。


この記事は下記論文の紹介記事です。

論文:

Lim, Jongwoo, et al. "All-inkjet-printed flexible piezoelectric generator made of solvent evaporation assisted BaTiO3 hybrid material." Nano Energy 41 (2017): 337-343.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211285517305918



近年のインクジェット技術を活用したフレキシブルエレクトロニクス技術の進歩に対応して、周囲の機械エネルギーを電気エネルギーに変換するフレキシブルな圧電エネルギー収穫技術(圧電エネルギーハーベスター)への応用が注目されています。


プラスチック基板上の作製された圧電エネルギーハーベスターは、反復的かつ小さな曲げ変形による圧電エネルギー発生の実現可能性を示しているものの、複雑な製造プロセスおよびサイズ制限は、本技術の商業化を妨げる要因となっています。



印刷概略図(ScienceDirect HPより)

そこで、本グループによる研究では、単純で容易なインクジェット印刷プロセスを採用することによって、BaTiO3および必要な部材をすべて印刷し、フレキシブルな圧電エネルギーハーベスターの実現および性能を実証しました。

フレキシブルでかつ大面積となる圧電ハイブリッドフィルムおよびAg電極層は、高温加熱や複雑な転写プロセスを用いずに、非接触型インクジェットプロセスのみで製造することが出来ているとのことです。

全行程をインクジェット印刷された圧電エネルギーハーベスターは、周期的な機械的変形を約7Vの開放電圧(Voc)、2.5μAの 短絡電流(Isc)(0.21μA・cm-2)、実効出力5μW程度(出力密度0.42μW・cm-2相当)を確認しました。


今回実証された新しいアプローチは、自己動力システムと無機ベースのフレキシブルなエレクトロニクスのための革新的なプラットフォームを提供すると同グループは主張しています。


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