Princeton Universityの研究グループが、冷却基板に衝突した液滴の凍結過程過程を調査しました。
この研究成果は、Proceedings of the National Academy of Sciences (2020)に掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Kant, Pallav, et al. "Fast-freezing kinetics inside a droplet impacting on a cold surface." Proceedings of the National Academy of Sciences (2020).
航空機の性能や液滴ベースの積層造形において影響を与える液滴の固化は、広範な産業用途に影響を及ぼす重要な現象です。特に衝突する液滴の凝固については、より深い基本的な理解が必要です。
このような背景に対し、同研究グループは、十分に高い基板過冷却での液滴スケールの流体力学と相転移効果の複雑な相互作用に由来する特異な凍結形態を明らかにしました。
光学技術(TIR)を採用することで、異なる凍結形態の直接的な可視化を行いました。
この手法は、多くの産業プロセスに影響を与える可能性があり、液体が浸み込んだ表面やパターン化された表面上の衝突液滴の固化など、より複雑な状況で使用できる手法です。
研究の結果、十分に高い過冷却では、液滴の中心からその境界までの凍結した前線の連続的な移流を伴う特異な凍結形態が存在することを確認しました。
この現象は、従来の核形成理論の要素を液滴スケールの大規模な流体力学に組み合わせて、従来は完全に分離されていた2つのサブフィールドをまとめることによって検証されました。
さらに本研究では、凝固中の一時的な結晶状態によって駆動される凍結スプラットの自己剥離現象を報告しています。
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