桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授のグループが、樹脂基板へのインクジェット法によるペロブスカイト太陽電池の印刷を実現したという報告が日刊工業新聞に掲載されました。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00490537?isReadConfirmed=true
そこで、上記研究と同様にインクジェット法を用いてペロブスカイト太陽電池を印刷した近年の研究報告例を紹介します。
2018年4月にカールスルーエ工科大学とハイデルベルク大学の研究グループが、インクジェット印刷したペロブスカイト太陽電池による高変換効率を実証したことを、発表しています。
この研究成果は、ACS Applied Energy Materialsで発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Mathies, Florian, et al. "Inkjet-Printed Triple Cation Perovskite Solar Cells." ACS Applied Energy Materials 1.5 (2018): 1834-1839.
https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acsaem.8b00222?journalCode=aaemcq
非接触でデジタルパターン形成が可能なインクジェット印刷技術は、ペロブスカイト型太陽電池の印刷と積層を可能にする技術として注目を集めています。
同グループの研究では、インクジェット印刷技術を用いて、高温および水分安定性を有する太陽電池用の混合ホルムアミジニウム/ヨウ化メチルアンモニウム/ヨウ化鉛複合体中に10%セシウムを3重カチオンペロブスカイト層として堆積させる。
175〜780nmの広範囲のペロブスカイト層の厚さに対するプロセス制御は、インクジェットプリンタカートリッジの液滴間隔(ドットピッチ)を調整することによって達成したとのことです。
作製された太陽電池は、12.9%の電力変換効率をもたらす定電圧での連続的な出力が示され、以前に報告されたインクジェット印刷された同種のペロブスカイト太陽電池に比べて大きな改善を示しているとのことです。
さらに、この研究は、耐熱および耐湿気に対する本ペロブスカイト太陽電池の耐性の高さを主張しています。
今回提示された結果は、デジタルインクジェット印刷技術を使用する高効率ペロブスカイト太陽電池の加工を実証したとのことです。
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