山形大学のグループが、有機薄膜トランジスタと電流センサーを組み合わせることで電気化学センサーを作製した旨をScientific Reports に発表しました。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Shiwaku, Rei, et al. "A Printed Organic Circuit System for Wearable Amperometric Electrochemical Sensors." Scientific reports 8.1 (2018): 6368.
https://aip.scitation.org/doi/abs/10.1063/1.5028263
人の生体情報をリアルタイムでモニタリングし分析を可能にするウェアラブルデバイスは、スポーツ、ヘルスケア、医療用途など様々な分野での利用が期待されています。活用が期待されているセンサーの中でも酵素ベースの電流センサーは、最も重要な電気化学センサーの一つです。
本論文では、薄い、軽量、高い柔軟性といった特徴を持つ有機薄膜トランジスタ(OTFT)をフィードバック回路、増幅回路として印刷し、酵素ベースの電流センサーと組み合わせました。この研究では、配線及び電極の作製方法として、インクジェット法(DMP2831)による銀ナノメタルインク(ハリマ化成社製)の印刷によって実現しています。またOTFT用有機材料はディスペンサーを用いて塗布を行っているとのことです。
このシステムを用いて作製した乳酸オキシダーゼ膜を有する乳酸センサーはよく機能し、1V / mMの高い感度と100秒の短い応答時間で乳酸塩濃度の定量的かつリアルタイムな測定を可能にしたとのことです。
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