Karlsruhe Institute of Technology(ドイツ)のグループが、インクジェット吐出において液滴が形成される挙動の理論モデルの構築を行いました。この成果は、 arXiv (2018/5)に掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Wang, Fei, et al. "Breakup of liquid jets and the formation of satellite and subsatellite droplets." arXiv preprint arXiv:1805.06818 (2018). https://arxiv.org/abs/1805.06818
コンティニュアス方式で吐出された液体は、柱状に液が吐出し、徐々に個々の微小液滴に分離します。この分離における理論モデルは、 プラトーレイリー不安定性として古くから知られています。
しかし、このレイリーの理論と矛盾した液滴形成の実例が多く観察されています。
このような課題に対し、本グループは理論モデルの再構築することで、レイリー理論の更なる一般化や分裂過程で発生するサテライト液滴(メインとなる分裂液滴の間に存在する微小液滴)形成の理解を試みました。
本論文では、液滴形成条件を決める表面積最小化の新しい概念を提案しています。
提案された新しい概念は、液滴の形成に関する古典的なレイリー理論によって理解され得ないサテライト液滴の形成も予測することができるとのことです。
この結果は、液体ジェットが存在する様々な分野に適用することが期待されています。
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