University of Torontoの研究グループが、インクジェット印刷可能なコロイド量子ドットを新たに開発しました。
この研究成果は、ACS nanoに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Sliz, Rafal, et al. "Stable Colloidal Quantum Dot Inks Enable Inkjet-Printed High-Sensitivity Infrared Photodetectors." ACS nano (2019).
コロイド量子ドット(CQD)は、調整可能な光吸収および発光特性と低温薄膜製造との互換性から、光電子デバイスの製造材料として最近注目を集めています。
CQDインクジェット印刷赤外線検出器の実現は、これまでのところ、最先端のCQD溶液交換インクを生成する化学プロセスとインクジェット材料処理用のインク配合の要件との非互換性という課題により実現していませんでした。
この課題に対し、同グループは、インクのコロイド安定性、インクジェット噴射条件、および異なるドットと溶媒の膜形態に関する要件を同時に評価することにより、CQDインクを設計することにより対応しました。
同グループが開発した新しいインクはコロイド安定性を維持し、ドットの表面のアミンの還元剤特性を抑制する設計により機能を達成しているとのことです。
ノズルからの液滴吐出後、低沸点アミン系化合物の急速な蒸発により、量子ドット材料は基板表面に固定されます。同時に、高沸点溶媒は、高性能IR光検出器の製造に必要なように、均一性の高い薄膜の形成を可能にします。
インクジェット印刷された量子ドットフィルムで、これまでに報告された最高の比検出能を示すインクジェット印刷された光検出器を製造下とのことです。
パターン化可能なCMOS互換プロセスとして、この作品は統合されたセンシングデバイスとシステムへのルートを提供すると期待されます。
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