神戸大学のグループが、カーボンナノチューブ分散液に含まれる界面活性剤の除去に真空下での加熱が有効であることを実証したとFlexible and Printed Electronicsに発表しました。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Horike, Shohei, et al. "Thermodynamics and kinetics of polyoxyethylene alkyl ether evaporation from inkjet-printed carbon nanotube thin films by vacuum annealing." Flexible and Printed Electronics (2018).
http://iopscience.iop.org/article/10.1088/2058-8585/aac349/meta
伸縮性、透過性の点からカーボンナノチューブ(CNT)はウェアラブルデバイスへの応用が期待されている材料です。このカーボンナノチューブをインクジェット法により印刷する場合、一般的にカーボンナノチューブ分散液を使用します。
カーボンナノチューブの分散液には、カーボンナノチューブと主溶媒の水の他に、分散促進のための界面活性剤が含まれています。この界面活性剤が絶縁体であるため、印刷物に残ることで導電率を低下させる課題があります。高温の焼成によって、界面活性剤を除去することはできますが、基板が樹脂フィルムの場合は、耐熱性の点から高温加熱ができません。
この課題に対し、本グループは、印刷物から界面活性剤を除去するために真空化での加熱処理が有効であることを実証しました。
真空下にて加熱処理されたCNT薄膜の電気抵抗は、大気中で加熱処理されたCNT薄膜の電気抵抗に比べて劇的に減少したことを確認したとのことです。
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