University College Dublin のグループが、HP社のJet Fusion 3Dによって作製した樹脂部品の機械的性能を調べました。この成果は、Additive Manufacturing(2018/5)に掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
O’Connor, Heather J., Andrew N. Dickson, and Denis P. Dowling. "Evaluation of the mechanical performance of polymer parts fabricated using a production scale multi jet fusion printing process." Additive Manufacturing (2018).
Additive Manifacturing(AM)は 短時間の部品製造や迅速な試作の手段として、急速に普及しつつある技術です。
同グループは、HP社のJetFusion3Dを用いて製造された部品の機械的性能を評価しました。
Hp社のJetFusion3Dはポリアミド12(PA12)を用いた粉末床溶融結合法(PBF)の造形システムです。AM技術は複数あり、粉末床溶融結合法はその一つに該当します。
従来の粉末床溶融結合法は、レーザーによって選択的に粉体を溶融させます。一方でHP社のJetFusion3Dは、溶かしたい箇所に黒色のインクを滴下し熱吸収率を向上させた後、粉体全面を加熱することで黒インクの塗布箇所のみを選択的に溶融させています。
本研究では、造形物の疎水性、形態、気孔率および粗さを調査しています。また、造形物の化学的および熱的特性を赤外分光法(ATR FT-IR)、X線光電子分光法(XPS)および示差走査熱量測定(DSC)を用いて評価しています。
これらの試験を通して、引張り(ISO 527-1:2012)および曲げ(ISO 178:2010)特性に造形方向性が及ぼす影響が示されています。
引張り強さに関しては、これらの部品は等方性挙動を示し、最大引張強度は49MPaでした。一方で、曲げ試験では、積層方向であるZ方向はX方向と比較して40%高い曲げ強さを示し、観察された最大曲げ強度は70MPaであったとのことです。
●造形装置:
HP社
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