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Fountain Pen Nanolithographyを使った金属インクによる線幅15nmの実現

更新日:2019年9月13日

イスラエルのヘブライ大学のチームが、Fountain Pen Nanolithography(以降、FPN)を用いて線幅15nmから数μmの金属線を印刷できることを発表しました。

( Yeshua, Talia, et al. "Micrometer to 15 nm Printing of Metallic Inks with Fountain Pen Nanolithography." Small 14.1 (2018). )






現在、プリンテッドエレクトロニクスの分野では、新規の材料や、新規の電気部品やアクチュエーター、センサーなどのオプトエレクトロニクスデバイスの開発をマイクロスケールとナノメートルスケールで可能にする方法が求められています。

これまでの一般的な方法は、インクジェット法による金属ナノ粒子の印刷です。インクジェット法による印刷物の課題は、印刷可能な最小線幅でした。インクジェットヘッドから印刷可能な液滴のサイズは最小で1pl程度であるため、実現可能な線幅は基板の表面状態次第で20~100μm程度でした。基板上に親液-撥液パターンを作ることで数μmのパターンを実現した報告もされていますが、nmオーダーまで実現した例はありません。


著者たちは、FPN技術を使用して、産業用途に適した15nm〜マイクロメートル幅の金属配線を任意の場所に簡単にそして直接配置できることを実証したと述べています。




このFPN技術は、曲がったナノピペット先端をAFMと同様に基板表面からの距離をnmオーダーで制御する技術です。ナノピペット先端まで到達した液は、基板と液との毛細管力によって基板に液が印刷されます。今回の論文では、銀ナノ粒子と銀と銅の塩溶液からなるインクを用いた導電性ラインの印刷が行われています。


今回の研究により、FPN技術によって実現した線幅は、15から1000nmを超えるほぼ3桁のオーダーで制御できたとのことです。作製した数マイクロメートルを超える長さの線は、優れた連続性、一貫した寸法、正確な位置決め、および導電性を備えて印刷できており、リザーバーは、溶液を頻繁に補充する必要なしに多数のラインを書き込む能力を提供するとのことです。

FPN技術は、フラットパネルディスプレイの修復から、マスク修復用途における局部変更にまで応用の範囲が及ぶと考えられています。



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