東京農工大と名古屋大学の研究グループが、CNF添加によるコーヒーステイン現象の抑制が可能であることを発表しました。
この研究成果は、Science and technology of advanced materials 18.1 (2017)で発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Ooi, Yuto, et al. "Suppressing the coffee-ring effect of colloidal droplets by dispersed cellulose nanofibers." Science and technology of advanced materials 18.1 (2017): 316-324.
インクジェット技術に代表される液体を用いた印刷技術において、輪郭部に溶質が集まり中心部が薄くなるコーヒーステイン現象は平坦な塗布結果を得る上で大きな課題の一つです。
これまでにもコーヒーステイン現象を減少するための対策として、高沸点溶媒の添加や溶質濃度の増加、界面活性剤の添加など様々な対策方法が研究されてきました。
今回同グループは、このコーヒーステイン現象の対策としてセルロースナノファイバー(CNF)をコロイド粒子分散液に添加することでコーヒーステイン現象が抑制されることを本論文にて報告しています。
同グループはCNFの添加によって、厚み均一性の高いコロイド粒子分散液の乾燥膜が作製できることを確認しました。
また単純にコロイド粒子の濃度をCNF添加量と同程度に濃度増加した場合よりもCNFを添加した場合の方がコーヒーステイン現象の抑制に効果的であることを確認しました。
この得られた結果を活用することで、プリンテッドエレクトロニクスにおける印刷物の品質向上、改善につながると同グループは述べています。
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