University of Zagrebの研究グループが、銀ナノ粒子の新しい製造方法を発表しました。
この研究成果は、International Journal of ELECTROCHEMICAL SCIENCEACS Applied Energy Materialsで発表されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Milardović, S., et al. "Synthesis and Electrochemical Characterization of AgNP Ink Suitable for Inkjet Printing." Int. J. Electrochem. Sci 13 (2018): 11136-11149.
ナノ粒子は、材料科学、エレクトロニクス、医学、バイオテクノロジーなど多くの異なる科学分野で利用されています。
特に銀ナノ粒子は、インクジェット印刷技術を用いた応用が多数なされています。
この銀ナノ粒子の製造方法は多数研究されており、主に使用されている製造方法は湿式合成です。
既存の湿式合成の主な欠点は、十分に希釈した溶液の使用であり、この方法は、大量生産に対してい非現実的でした。
同グループが記載した方法は、ヒドラジン一水和物を還元剤として用いた硝酸銀の化学還元に基づくものです。
キャッピング剤としてポリアクリル酸の存在下でヒドラジン水溶液を用いて硝酸銀を還元することにより、平均直径約2.5nmの球状銀ナノ粒子(AgNP)を合成しました。
この得られた銀ナノ粒子は、文献に見られる印刷用途のAgNPよりも1桁小さく、かつ従来よりも大量のナノ銀を得ることができたとのことです。
作製した銀ナノ粒子を用いて濃度25wt%のインクを作製した結果、7ヶ月間の安定分散を確認したとのことです。また、この作製したインクとインクジェットプリンターを用いて異なる形状や機能性電極を印刷可能であること、導通を得ることを確認したとのことです。
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