Gachon UniversityとKyung Hee Universityの研究グループが、印刷可能な長期安定NbSe 2ナノシート水性インクの開発に成功しました。
この研究成果は、Applied Surface Scienceに掲載されています。
この記事は下記論文の紹介記事です。
論文:
Park, Hyemin, et al. "Long-term Stable NbSe2 Nanosheet Aqueous Ink for Printable Electronics." Applied Surface Science (2019): 144342.
液体中の二次元(2D)遷移金属ジカルコゲナイド(TMD)材料の大量生産方法が開発されているにも関わらず、水溶液中のこれらの材料の長期安定性は未だに大きな課題を抱えています。
このような背景から、同研究グループは、水溶液に分散し、化学的に剥離したセレン化ニオブ(NbSe 2)ナノシート(NSs)の不安定性を系統的に調査しました。
その結果、不安定性は水溶液中のNbSe2 NSの酸化に起因し、セレンの沈殿とNbSe2 NSの再堆積を引き起こし、NbSe2 NSの電気的特性を劣化させることを明らかにしました。
この結果から、水溶液に溶けている酸素を効果的に消費する抗酸化剤(L-アスコルビン酸)を使用してNbSe2 NSの酸化を防ぐ効率的な方法を見出しました。
新たに開発したインクは、水溶液中の酸化還元反応、それにより、NbSe2 NSインクの長期安定性が向上しているとのことです。
同グループは、長期安定したNbSe2 NSインクを使用した印刷プロセスによる熱電発電機の製造を行いました。
熱電力率は、30日間経過したインクの保存したものでも同様の性能(87%)までほぼ維持されたとのことです。
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